葛嶺進龍山証厳坊
燈明ヶ岳〜滝畑

燈明ヶ岳  泉州日根郡大木谷にあり別当滝本坊 

古義真言、領主岸和田候、かつらきみねおくのいん也。本堂倶利伽羅・右脇神変大士・左脇弘法大師・熊野社・屏風岩不動・十一面堂・弁天社・燈明ヶ岳の不動、口の滝高祖、八大竜王祠、惣じて滝七つまた行場あり。滝宮明神 大木村に鎮座す、神名帳に火走神社、右明神は犬鳴山、口の滝より出現し給ふが故に此名あり、また此山を犬なきとは寛平己後のことなりとかや古記に鈴杵かだけとみえたり経塚もあり。
妙 五百弟子受記品第八之地
犬鳴の山のたきつの白波は華をよそめにちりはらひゆく

蕎原とちの木谷   同国泉南郡 岸和田領

五本松のみねより北の谷にむか ひて遥拝なり、金剛童子、御爪ほりのぢぞう、護摩場に不動 高祖の御修法護摩なし給ふあとあり。

嶺 の 龍 王   同国郡同領分塔原村の嶺に有、五ヶ村の氏神といふ

本社は八大龍王晴雨にかゝはらず此高ねに氏子の輩日供を運び奉る。

金 剛 童 子 祠   紀州郡那賀郡にて滝王の脇にあり

此祠を 妙  授学無学人記品第九之地に建し経つかといへり。
みねたかきたつのやとりのこゝかしこ経のちからやみちかほるらむ

牛滝山大威徳寺   泉州和泉郡  清水殿御領地

本堂大威徳明王、大師堂等 真言宗滝本坊支配、其余護摩堂・不動尊・神変大士・二重塔の大日如来等は天台宗穀屋坊支配、総門の中に経石あり。
妙  法師品第十之地 来てみれはよをうし滝の山寺に法のともしそくまなかりける

大沢 神福寺   同国郡 同領

沢井・箱井・手越井・役行者高座石何れも遥拝。 

桃林山観音寺   同国郡 同領 父鬼村 真言古義

本堂如意輪・毘沙門・不動尊・阿伽井・弁天社・牛頭天王社、村中に石像の高祖、父恩明神。

龍宿山七越峠   泉紀国境に常摂待

夫より西の常屋敷といへるに経塚あり又東のしげりは童子の杜にて宿山といふ。
妙  見宝塔品第十一之地
染かみのつかといふなり七越に華のうてなのわけをしらすて
○経護童子本地須弥頂、東方仏、紀泉河三国界一乗が嶽に鎮座し給ふ。
此尊号は、一切の聖教をまもり、末世に甘露を与へんとの義、また所名は、唯有一乗法、無二亦無三と、説き給ふの 意。
○ならひなき経護の杜は名しおふ一乗か岳の嶺にこそあれ 劔の池、甘露水あり雨壺ともいふ、各小鬼村支配に命せられたり、此山は往古龍宿山七輿寺とて七堂伽藍にして十余の堂塔宮祠

四十余の僧舎あり、魏々たる霊場なりしに平治の乱に焼亡せしこと古記にみえたり大峯に比すれは弥山が岳にひとしかりしと云々

天女山正楽寺 紀州伊都郡 東谷の神野村
若宮八幡・摩利支天・弁天堂・役行者笈立石・同御腰かけ石壺の井あり、吉次郎が宅地のまきなり。本地堂弥陀行基作、谷を下り左り不動滝、右に天狗塚とてけはしき巖あり、七八丁ゆき

老松の下に、弘法大師の加持水、古記に小鬼朴留の経塚とあるは護摩のたわなるをいへるよし、通路をへだち人しらず、堀越村源太夫が畑にある経塚といへりいふかしみ穿ちたるに、古鏡

一面出たり、往古の神跡ならんと、元のことくなし置ぬ、されど年久しくいひつたへしなれば、護摩のたわの遥拝所とせんか。
妙 提婆達多品第十二之地

鎌の多輪経塚 同国郡同谷堀越村より四丁東河内路にあり

行程八丁の間河州滝 の畑村領也、今時むかひのたわといふ。妙 勧持品十三之地 しげりあふ草野に埋るかまのたわ法の光りはとにかくに出ん

蔵 王 権 現 同国郡大畑村支配ざわう峠の山原にあり

本社 脇に石像神変大士、その前に蔵王山五仏院としるせし古代の石とうろうあり四五丁ゆきて左りの山に丹生明神、脇に一言主神。

一乗山勝楽寺 大畑村にあり 此辺惣而高野末真言

鎮守八幡宮、本堂の弥陀・観音・勢至、高祖堂 其前にいにしへ護摩を修し給ふあとあり、御腰かけ石此里に守安茂十郎あり、その家祖、次郎五郎なるとき、高祖御滞留なし給ひて一夜に

法華経を書写し給ふなんまた砥石畑といふに行者斧磨石有当時茂十郎が宅に御作の大黒天を守護せり、これより蔵王迄帰りて河内にいたる。

福玉山光滝寺 河州錦部郡滝之畑、領主狭山候、 若王寺末天台

本堂不動明王・神変大士・多宝塔に五智如来・弁才天社・金剛童子、四丁おくに滝。扇山弁才天今は才神山といふ、此里の小松が宅の辺に熊野権現、また仏徳多輪の経塚あり。
妙 安楽行品第十四之地
よをてらす仏のたわの朝霧に華も光るのたきはたの里