葛嶺進龍山証厳坊
曷山道人例歳録 例 歳 録

恒例の葛城修行といつは、天下のための練行なり、故に、毎年 紀太守より御船三艘つゝ出され、友か嶋渡海の便よくなさしめ給ふ、殊更懸。御奉行、御代官、与力等出役あり、都て御賄ひ給りぬ、加田発駕に至りての継立は、加田より山口迄木志組大庄屋古橋谷太夫、山口より三谷迄山崎組大庄屋桃井隼人、三谷より志野迄池田組大庄屋山田萬次郎、志野より中津川迄粉河組大庄屋伊藤八右衛門等動之、泉州牛滝山出立より三日市迄在村懇念を尽し年々人足出之、冥加を重んし、其身を慎み、丹誠を抽んして修行有たきものなり。

京都発駕宿継次第 

淀、枚方、守口、大阪着泊、大阪出立、堺、岸和田但し貝塚泊、貝塚出立、樫井村奥源兵衛方休、信達但し南口鳥居より遥拝 山中此次滝畑村行所 山口着泊、山口出立此間一り府中此間一りに近し、大福山此間三十丁、鳴滝此間二十丁、善明寺此間二り余、加田着泊、加田より翌日渡海地廻り等、但し風雨の時は日送り、翌日、紀泉二之宿廻り或は三之宿等、加田出立此間九り 粉河此間三十丁中津川御宿坊泊

翌日、矢下安穏武運長久の為に大護摩執行、泊、中津川出立、此間五十丁犬鳴 此間五十五丁嶺龍王此間三十六丁 牛滝山着泊、牛滝山出立、三日市泊 但し七越廻りの年は日野峠にて岩湧山遥拝、岩湧寺廻りの年は滝の畑より、七越光滝寺等遥拝、三日市未明出立 此間三り 千早村此間二十五丁 金剛山、但し金剛山より朝原下りにて此道六十丁 名柄 此間八丁 一言主寺着即刻護摩修行泊 此所より新庄へ五十丁 一言主寺出立此間三十丁 茅原寺此間五丁 御所此間五十丁 新庄此間三十六丁当麻、但し二廻りとも岩屋越 此間五十丁 山田村此所にて修行結願衣を更ふ 古市、小山、川辺、平野、大阪、守口、枚方、淀、京着但し門出神社之事。葛城嶺中鎮護仏神附本地

法起     不動     釈迦     文殊    勢至    普賢
地蔵     弥勒     正観音    蔵王    如意輪   十一面
不空羂索   薬師     宝幢     弥陀    大日    虚空蔵
千手     大黒     大威徳    弁才天   倶利伽   深蛇
四天王    摩利支    五大尊    妙見    毘沙門
七童子    八大龍王   若一王子   吉祥天   金峰社
八王子-千手  熊野     八幡-弥陀   丹生-弁天  白髭-多聞  神明-大日
山王-オンゴロダヤソワカ   磐舟-不動   祇園-薬師

三十八所明神 

狩野(丹後) 香取(女下総)鹿嶋(常陸) 熊野(紀伊) 大酒(山城) 住吉(摂津) 稲荷(山城) 布留(大和) 春日(大和) 大神(大和) 葛城(大和) 垂水(女播磨) 熱田(尾張) 多度(伊勢) 広田(女摂津)梅宮(女山城)気多(能登) 気比(越前) 月読(伊勢) 加茂(山城) 松尾(山城) 八幡(山城) 木嶋(女  )金峰山(大和) 比叡(近江) 比良(近江) 愛宕(山城) 大和(和州) 白山(加賀) 飯道(近江) 大原(山城) 高天(大和) 広瀬(大和) 神野(紀伊) 諏訪(信濃) 櫟
平野     秦大夫     此の社は金剛山に在り而て葛城之鎮守と倡ふ也

か豆ら樹のみねを。山坡苔路のいとひなく。いくほとしらず。たとりつゝ窺ひけるに。昔智仁勇の聞え有し。楠家の臣等か。国家の為にみまかりけむ。其つかならんかとおほしきもあり。また法華経の。一石一字といへる碑なと。ここかしこにあるへけれと。古記にもれたるものは。みなはふき。且其ほとりの。里長にかたらひ。かの水帳とか。いへるものをもさくりて。今とむかしをてらし合せ。その正しかりしを。ことごとく。こゝにかいつけおきぬ。
西のとし春               曷 山 道 人